ケイタのしゃべり場

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『憎しみが憎しみを呼ぶ』 検証してみた ~桃太郎編 最終夜~

お待たせしました。最終夜です。

前回までの内容はこちら

『憎しみが憎しみを呼ぶ』 検証してみた ~桃太郎編 第一夜~

『憎しみが憎しみを呼ぶ』 検証してみた ~桃太郎編 第二夜~

『憎しみが憎しみを呼ぶ』 検証してみた ~桃太郎編 第三夜~

『憎しみが憎しみを呼ぶ』 検証してみた ~桃太郎編 第四夜~

『憎しみが憎しみを呼ぶ』 検証してみた ~桃太郎編 第五夜~

 

今のボクには父や兄のことが理解できる。

どんな思いで我が子を見ていたのかその気持ちが手にとるようにわかる。

親というのは子を無条件に深く深く愛す事が。

鬼と人の間に生まれた我が子への想い。

愛しているからこそ

強く

逞しく

生き抜く力を与えるために・・・・・・

父親にできることは一つしかないのだ。

愛する我が子もきっといつかはわかってくれるだろう。

時間はかかるかもしれないがそれでも、いつか必ず・・・・・・。

このボクがそうであったように・・・・・・。

・・・・・・ごめんよ。

父さん兄さん。

そして、ありがとう!

息子は立派に育ててみせるよ!

――

――――

バキッ!

そんなある日の夜・・・・・・。

鬼ヶ島が襲われた。

ボクは息子を安全な場所に隠すと固く、固く、命じていた。

「隠れてろ

絶対に姿を見せるんじゃないぞ。

なにがあってもだ!」

・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・。

仲間たちを率いて襲撃者を迎え撃つ。

敵の先頭に立っているのはまだ若い男のようだ。

月明かりがソイツの顔を照らしだした。

「!!!!」

見たことのある顔だった。

絶対に忘れるはずのない顔だった。

――兄、桃太郎の・・・・・・息子!!

ボクの全身からすべての力が抜けていくのがわかった。

頭の中でひとつの言葉が何度も何度もこだましている。

なぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜ

だなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだな

ぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだ

なぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜ

だなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだな

ぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだ

なぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜ

だなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだな

ぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだ

なぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜ

だなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだな

ぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだ

な・ぜ・だ!?

悲しみと諦めと寂しさが支配したボクの身体を固く、鋭い何かが貫いた。

不思議と痛みはない。

手も足も感覚を失いみるみる意識が遠のいていく。

嘲笑うような声がどこかから聞こえた。

「子どもができてから殺さなけりゃ、

復讐にならないからないからな」

そうか、そうだったのか。

わかった、やっとわかった・・・・・・。

あの日、兄である

桃太郎の

はなし

は終わっていなかったんだ!

『おれの・・・・・・むすこに・・・・・・きを――』

――

――

――

――『俺の、息子に、気をつけろ』

・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

桃太郎の

はなしは

終わっていない。

・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

終わらない。

終わらない。永遠に。

いかがでしたか?僕は、鳥肌が立ちました。憎しみが憎しみを呼び、連鎖する。そして、自分が味わった苦痛は同じように相手に感じさせる。
これが、国と国との争い、戦争となれば、最後は地球が滅びますね。間違いなく。
憎しみをうまないことは難しいことではないけど、その末路がどんなことになるのかを想像することは容易だと思います。
僕は、「争いは争いしか生まないから、やめよう」とかいう偽善のような発言が大事なのではなく、
『憎しみで復讐をするのはいいけど、その後自分が、そして、自分の家族がどうなるかまで考えてから実行しろよ』ということを声を大にして言いたい。だって、自分以外の家族もずっと不幸になり続けるんだよ。それでも良いという覚悟が家族、そしてあなたを取り巻く環境全員で言えるのであれば、好きなだけ復讐してください。
それができないなら、復讐なんてマネするなよ。戦争するなんて言うなよ。
僕には、無理だ。