ケイタのしゃべり場

読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ケイタのしゃべり場

言いたいことを書き連ねるブログ。

『ものの歩』第三十三局 「師弟」より

裏社会を生きてきた『元真剣師』を間違って訪ねてしまった信歩は…?

今週も目が離せません。週刊少年ジャンプで連載中の将棋マンガ『ものの歩』。

先週までのあらすじは、プロの棋士に弟子入りをするために、門を叩いた小鳥遊先生。実は、高梨先生と間違えて訪ねてしまった…。

小鳥遊先生と、いろんな遊びで遊びつくした信歩は、最後に「とっておきのオモチャがある」と和室に通されます。

そこにあるのは…『将棋盤』。小鳥遊先生もさすがはプロ棋士

「何をどれだけ遊んでも 俺は将棋が一番好きだ」

いい言葉ですね。最後は、自分が一番好きな遊びに戻ってくる。生涯を捧げる仕事。やっぱり自分が一番好きなものにしたい。そこは譲る必要のない軸ですね。

将棋盤に向かう二人 そこに見えたものは?

小鳥遊先生と信歩が将棋盤を挟んで向かいあう。その瞬間、小鳥遊先生の脳裏に浮かんだ情景。

それは、信歩と十歩とのネット配信での一局。素人将棋ながら鮮やかな逆転だったと小鳥遊先生は信歩を褒めます。そして、その時の棋譜を並べ始めます。棋譜を全部覚えている小鳥遊先生の姿を見て、素直に「すごい」と思う信歩。素直だなぁ。

そして、小鳥遊先生か信歩に気になっていたことを聞きます。

「この垂れ歩、なんで打った?」

一見いい手にには見えなかった一手が、のちに勝負を決めた。その事実、先を読んでの一手だったのか、それとも偶然だったのか。小鳥遊先生は事実を知りたかった。

根っからの将棋好きなんですね。気になったことは、とことん追求する。好きなことだからできることですよね。これが、なんとなくやっていることだったら、ここまで追求できない。好きなことを仕事にするって、自分のすべてをかけられるから面白い。そういう一面がひしひしと伝わってきます。

信歩の答えは…?

「あれは…偶然です」

「ただ…好きだったからです。垂れ歩が」

自分のことを歩兵だと思っている信歩だからこそ、「変化してやる!」という気概を持った『垂れ歩』に自分を重ねる信歩。自分が歩兵だったら垂れ歩でありたいというまっすぐな姿勢に、小鳥遊先生は虚をつかれます。そして、ますます信歩を気に入ります。

そこで、小鳥遊先生の一言。この言葉がまた心に刺さります。

「将棋は愛で指せ。俺から教えられるのはそんだけだ」

現代は合理的かつ効率的な社会です。それは将棋だけでなくすべてのことに共通していますよね。でも、そんな普通はつまらない。『愛』とか『情熱』とか気持ちが大事なんだということを伝えてくれています。

将棋界の発展のために後進を育てている小鳥遊先生

小鳥遊先生がプロになった理由。それは、真剣師時代に行った賭け将棋。

プロ棋士との一局で「俺が勝ったらプロになれよ。将棋界のために働いてくれ」

それから小鳥遊先生は賭け事をキッパリ辞めます。それから、プロとして第一線で活躍し、今は将棋界のために後進を育てています。たまに変な弟子ばかり連れてくるので辞める弟子も多く、『奨励会員の墓場』なんて言われている門下ですが、それでも弟子から慕われています。

「どこでどんな噂されてようとオレたちは師匠のことがちょ〜好きだ」

という弟子の言葉からも分かる通り、人望は厚い。小鳥遊先生、素敵すぎるよ。

師弟の誓いを交わそうとしたら…

小鳥遊先生のバックグラウンドを知った信歩。

師弟の誓いを交わそうとした時、一本の電話がなります。高梨先生からの電話です。

そこで、小鳥遊先生は初めて、信歩が尋ねる師匠が自分ではないことに気づきます。

「とにかく今すぐに向こうに行くのが道理ってもんだ」

と小鳥遊先生は信歩を送り出します。「また遊びに来いよ。詰将棋見てくれ」と言葉をかけて。

その後の小鳥遊先生の表情は寂しそう。過去に、自分の弟子を取ろうと思った時のことを思い出します。信歩のことを思い出しながら。「…いい配牌だとおもったんだがな」

そして、高梨先生からの電話。小鳥遊先生は、信歩のことを高梨先生に託します。ほんの数時間しか一緒にいなかった信歩のことを不器用にも高梨先生に伝えて。

この情景から、小鳥遊先生は、信歩を本当に弟子として預かりたかったんだなって伝わってきて、ちょっと泣きそうになりました。うるうる。

不器用なのは、信歩の専売特許だよね

信歩の不器用さと言ったら…。律儀なのか筋を通す男なのか。そのあまりにも純粋なまっすぐさ。

高梨先生に丁寧に詫びを入れて、小鳥遊先生のもとへ帰ってきます。

「お前…いや、そーじゃなくて…手違いだったんだろ!?お前の師匠は…」

と小鳥遊先生が話したその時に、

「親指使わないのは難しかったです」

信歩の一言。

そう、師弟の誓いは、朱肉をつけた親指どうしを合わせること。一度朱肉をつけた親指が汚れないように、何にもつかないようにして、信歩は小鳥遊先生の元へ帰ってきました。

その時の小鳥遊先生の表情。

「……こんなん…賭けちまうだろ…!!」

そして、師弟の誓い。こうして、信歩は小鳥遊先生の門下に入ることになったのです。

このマンガ、キャラクターの表情がやばい

ひとつひとつの場面で見せるキャラクターの表情。読んでいるこちらが感情移入してしまいます。妙に人間味があるというか、池沢春人さんが書いている作品なんですが、作画が人の心をぐっと掴んで離さない。

なんというか、辛いことがあった時に読みたいマンガです。

信歩の成長、信歩を取り巻くキャラクターの成長。多種多様な表情。

今後のジャンプの看板を背負うべき王道マンガですね。

来週も楽しみです。