僕の友人の知り合いが宗教に勧誘された時の話 〜後編〜
僕の友人の知り合いが宗教に勧誘された時の話 〜前編〜 からの続きです。
ガストを出た3人はCくんの車に乗り込みます。もうBくんは、ドキドキハラハラビクビクです。どこに連れて行かれるのか、何をされるのか…。
そんなBくんの様子を察知したのか、Dさんは言います。
D:「大丈夫だよ、安心して。うちに行くだけだから。ファミレスで運気とかそういう話をするのもあれかなって思ってさ」
C:「Dさんの家って、マンションなんだけど、結構広いんだよ。家族で住んでるんだけどさ、部屋が結構あるんだよ」
B:「(Dさん、既婚者だったのか。ということは、家に家族がいる。そんなに危険な目には合わないだろうな)」
なんて、思いながら。とうとうDさんの家に到着します。そして、家に入ります。もう、Bさんは恐怖との戦いをやめました。自分を安心させるために「家族がいるから大丈夫」と言い聞かせて。
そして、通された部屋はリビング…ではありませんでした。マンションの一室にそのまま通されます。その部屋を見て、Bくんは愕然とします。部屋の真ん中には祭壇。それを取り巻くように縄が部屋中に巻かれています。そして、祭壇の真ん中には一枚の白い紙。
C:「B、ラッキーだったな。これでBの運気も上がるよ!」
なんのことかわかりません…。怖い。恐怖が再び蘇ります。Dさんが祭壇の前で何かを呟き始めます。それに合わせて、Cくんも同じことを始めます。そして、身振り手振り。どんどん動きが激しくなります。
D:「ほらBくんも一緒にやって!」
Bくんはなすがままに同じ動きをします。するしかありません。ここは相手のホーム。このアウェイを乗り切るには…郷に入りては郷に従えとはこのことでしょうか。一心不乱に何かを唱えながら、身振り手振りをします。
A:「お前、それよくやったな。あたしゃ無理だ。っていうか途中で逃げるわ(爆笑)」
B:「マジでそれどころじゃなかったんだって」
そして、Dさんがいいます。
D:「Bくん、あの祭壇に見えるものは何?」
B:「白い紙ですか?」
Dさんが声を荒げて言います。
D:「違う!これは神だ!ふざけているのか!?」
Bくんは、恐怖でその場しのぎの一言を言ってしまいます
B:「はい、これは神です」
そして、そこからどれくらいの時間が経ったでしょうか。全てが終わり、マンションを出たのは23時。
D:「これでBくんの運気も変わったはずだよ。これから良いことしか起きないと思うよ。これ持って行って」
と、一枚の紙切れ。そう、神様の片割れです。Cくんも満足そうに、
C:「これから一緒に神様を祀ろうな!」
と言ってきます。
B:「はい…」
B:「でさ、その日の夜に、Cから電話がかかってきてさ、『次はいつ行く?』って聞かれて…。泣きながら『二度と行くか!』って言って着信拒否にしたよ。後日、大学で他のやつにもこの話をしたんだけど、結構誘われてたやついてさ、全員途中でやばいと思って断って帰ったんだって」
A:「そりゃそうだ。気づくだろおかしいって」
B:「とりあえず、神はただの紙だから捨てたよ。でも、ひとつだけDさんが言ってたことで正しいことはあったんだよね」
A:「それは何?」
B:「俺の運気が悪って話。こんな場面に出くわしちゃうんだもん、運気最悪だわ。そして、結果Cとも縁切れたから運気は上がったね」
A:「(爆笑)」
Bくんは、無事に帰ってこれましたが、これ、マンションの一室で「宗教勧誘じゃねーか、ふざけんな!」とか修羅場になってたら…生きて帰ってこれていないかもしれないね。ってこの話を聞いていて僕は思いました。全く笑えない。それを大爆笑したという僕の友人のAもなかなかの女性だなと思いました。
みなさんも、知らない人には気を付けましょう。そして、久しぶりにあう友人にも…。