ケイタのしゃべり場

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『憎しみが憎しみを呼ぶ』 検証してみた ~さるかに合戦編~

憎しみは連鎖するのか?

世の中は、愛と憎しみで包まれてるなぁ。なんて、考えている今日この頃です。

争いは、次の争いをうむわけで。深い憎しみが、また次の憎しみに繋がっていくわけで。
こういった無限のループが世の中で行われているわけですよね。戦争もそうです。
でも、憎しみってどんなときにうまれるんだろう? って気になったことないですか?
僕は、ふと気になったわけです。
なので、僕なりに憎しみが生まれる瞬間を童話・昔話になぞって考えてみました。
いろんな昔話に沿って、憎しみの生まれる瞬間を見てみましょう。

その1 さるかに合戦

さるかに合戦(さるかにがっせん)は、日本の民話の一つ。 ずる賢い猿が蟹を騙して殺害し、殺された蟹の子供達に仕返しされるという話。「因果応報」が主題[誰によって?]。 別題名は、「さるとかに」、「かにむかし」と呼ぶ事もある。
有名な民話ですね。
では、さるかに合戦を軸に、憎しみがうまれる瞬間を見てみましょう。
カニがおにぎりを持って歩いています。てくてく。おっと、そこにいかにもズル賢そうなサル登場!
すでにここで、サルに対して悪意が出てますね。これは、むしろサルが憎しみを覚えて…。話を戻しましょう。
サルはカニに言います。
「そのおにぎりとさ、この柿の種を交換しようよ!」
「えっ、やだよ。だって柿の種じゃおなか一杯にならないよ」
「ん?何言ってんの?柿の種を植えたら、成長してたくさんの柿が出来るから得だよ!?」
「あぁ、亀田の柿の種かと思った。本物の柿なのね。サルさん意地が悪いから勘違いしちゃったよー」
僕がサルだったら、この時点でカニを茹でます。怒りでボイルします。そして食べます。
そして、おにぎりと柿の種を交換します。カニは家につくと、さっそく柿の種を庭に植えます。歌いながら。
「早く芽をだせ柿の種、出さなきゃ鋏でちょん切るぞ」
そうすると、なぜか一気に成長して柿がたくさん出来ます。
そりゃそうだ。脅しているわけですから。カニも大概にしなよ。そんなに好戦的だとまじで良いことないよ。
柿の木に実がなっても、カニは木に登ることができません。そこにサルがやってきました。カニのために木に登って柿を取ってあげる約束をします。そういえば、サルは今日おにぎりしか食べていません。この不況の折、なかなか定職に就けず、食べるものもままなりません。そこに、視界に広がる柿の実。もう、我慢できません。むしゃむしゃ。そのとき、カニがサルに向かって言いました。
「おい、はやく柿を持って来い。それは貴様が食べて良い柿ではない。柿1つ買えない甲斐性なしが。お前はただ俺のために柿を取ってくればいいんだ!」
カニさん、もっと優しい言葉をかけられなかったのかね?これじゃサルさんもお怒りですよ…。
どんなに苦しい状況だとしても、サルにもプライドはあります。もう許せない。精一杯の抵抗をカニに見せます。その場にあった柿を1つ、カニに向かって投げつけます。さずが、昔は甲子園に出場した経験のあるサル。抜群のコントロールと球威でカニの脳天をつきます。さすがにヘルメットをしていないカニさんは、この衝撃に絶えられません。なぜか子どもを産んでショック死します。
今のところ、カニが悪い。これだけの誹謗中傷を受けたら、さすがにカッとなって冷静な判断も出来なくなってしまうよ。ただ、憎しみにあふれていたサルの心もこれで少しは楽になったことでしょう。
しかし、ここからが問題です。カニは死ぬ瞬間に子孫を残していました。そして、それはもう、初代のピッコロ大魔王が悟空にぶち抜かれたときのように。やはり、魔族の子孫であるカニジュニアたちは、「父の敵。サルを殺す」と言っています。そして、でも子どもの自分達じゃ倒せないことも知っている。なので、大人の力を借りようとします。
そして、栗と臼と蜂と牛糞に敵討ちの算段を語り始めます。
「あの、お願いがあります。うちの親を殺りやがった、サルに仕返ししたいんです。なので、力を貸してください」
カニがサルにした仕打ちを知らない大人たちは、「なんてかわいそうなんだ」と協力します。
もちろんカニジュニアも親のしたことを完全に理解していない。ただそこには『親を殺された』という憎しみしかありません。ほらね憎しみが憎しみをうんじゃった。そうなると、もう止まらないよね。
栗は囲炉裏の中に隠れ、蜂は水桶の中に隠れ、牛糞は土間に隠れ、臼は屋根に隠れた。そして猿が家に戻って来て囲炉裏で身体を暖めようとすると栗が体当たりをして猿は火傷を負い、急いで水で冷やそうと水桶に近づくと蜂に刺され、吃驚して家から逃げようとして牛糞に滑り転倒、屋根から臼が落ちてきて猿は潰れて死に見事子供の蟹達は親の敵を討てた。

憎しみは連鎖する

ということで、カニジュニアは復習を見事に果たすことが出来たのです。めでたしめでたし。
本当に、これで終わりでしょうか?サルには家族はいないでしょうか?サルジュニアにとって、サルはたった一人のお父さん。それを大人数人に囲まれて、殺された。もう、やりきれない思いと憎しみがこみ上げてきますよね。
『そして、サルジュニアは武器を取った。「憎しみが憎しみを呼ぶ世の中なら、俺が終わらせてやる」と』。そして、世界中が恐怖する、第三次世界大戦が始まるのであった。
もうこういうことですよね。自分達の主張を通そうとするからうまくいかないんですよ。で、争いになって。負けてもやり返すから。って続いていく。
これ、臼とか蜂とか協力してくれたけど、このあと中悪くなったらどうすんの?
カニジュニアにさ、「あのときの恩忘れたわけじゃねぇよな?」とかそういう感じになって、「あいつマジむかつくわ。臼燃やしちゃう?」的な流れになると、また憎しみ。
どうすれば、憎しみを回避できるのだろう と考えたら、答えが出ました。
『田舎に引っ越そう』。人と極力関わらない土地へ行こう(笑)。現実的ではないですね。
これ、憎しみの連鎖って、止めることは不可能ですよ。でも、連鎖を小さくすることは出来ると思います。
なぜ、カニは死んでしまったのか。その原因は?などを考えて、感情だけで行動に移さないことが、憎しみを小さくする唯一の方法なんじゃないかな。